総量規制をわかりやすく解説。借金はいくらまでできる?

カードローンのコマーシャルでは、借り入れできる限度額が500万円や800万円となっています。見た人が何も知らないと、ついこれだけお金を借りられるのではないかと考えてしまいがちですが、実際にはそこまで借りることはできません。

では、カードローンはいくらまで借りられるのか、わかるのでしょうか。

実はお金がいくらまで借りられるのかは、総量規制が関わっています。しかし、総量規制と言われても、初めてカードローンを利用する人やまだまだ借り慣れない人には聞きなれない言葉でしょう。

この記事では、総量規制とは何なのか、借金はいくらまでできるのか、総量規制で決められた金額以上にお金を借りる方法も含めて説明します。

借金はいくらまで借りられる?実は総量規制により年収の3分1まで

カードローンの商品説明を見ると、限度額に500万円や800万円などの記載があります。これは商品としての限度額になり、誰もがこの金額までお金を借りられるわけではありません。

では、いくらまで借りられるのかといえば、人により違いがあり、そこには総量規制が関係しています。

総量規制とは消費者が多重債務にならないための貸金業者に向けた規制

カードローンの利用経験が長いと一度は聞いたことのある人もいるでしょう言葉が「総量規制」です。総量規制は、まだカードローンを初めて利用する人やまだまだ慣れない人には聞き覚えのない言葉でしょう。しかし、カードローンを上手に利用するためにも知っておく方がいい言葉です。

総量規制とは
消費者が多重債務にならないように貸金業者に対し、個人の申し込みでは年収の3分の1を超える金額を貸してはいけないことが、貸金業法の第十三条の二(過剰貸付けの禁止)に記載されています。そのため、カードローンでは年収の3分の1以上は借りられません。これを総量規制と呼んでいます。

法律上では総量規制という言葉はありませんが、総量規制はこの法律の内容を指しています。貸金業者に向けた規制ですが、結果として消費者も年収の3分の1までしかお金が借りられないことになります。

実際にカードローンのみが原因ではないものの、貸金業法が改正されて2010年に完全施行されてから、総量規制の効果もあり自己破産数は減っています。

2005 2010 2015
自己破産申立件数 184,422 120,930 63,844

政府の多重債務問題に関する会議(2018年)に提出された裁判所・司法統計の資料の数字によると、法律が改正された後では自己破産者数が半減しています。カードローンが全て関係しているわけではないのですが、それだけ総量規制の影響力が大きいといえるでしょう。

勘違いに注意!何社から借りようとも上限額は年収の3分の1

ここで注意しなければいけないのは、この年収の3分の1という金額(数字)は、1社から借りた額ではなく、借りた金額の総額になることです。複数社から借りた場合は、全額で年収の3分の1を超えてはいけないこととなっています。

また、総量規制の対象となるのはこれらになります。

  • 消費者金融のカードローン
  • クレジット会社のカードローン
  • クレジットカードのキャッシング枠 など

意外に気づかないのが、クレジットカードのキャッシング枠です。クレジットカードのショッピング枠は対象になりません。

カードローン利用者には、複数の会社からお金を借りている人は意外と多いです。そのため、複数社からお金を借りている人は、気をつける必要があります。

例:年収300万円の人場合

A社のみ100万円借りている     → 今後借りられない
A社50万円+B社50万円借りている → 今後借りられない
A社クレジットのキャッシング枠10万円
+B社50万円借りている       → 今後可能なのは40万円まで

既に利用している他社の借入金額が、どうして新たに申し込みした会社にわかってしまうのか、疑問に思う人もいるでしょう。それは信用情報機関で調べることができるからです。

場合により必要。収入証明書類の提出を求められるのは総量規制も関係

カードローンでは、申込者が借りた金額の返済ができるかを審査してから契約をします。貸金業法第十三条(返済能力の調査)にも、貸金業者は申込者の返済能力を調べる必要があるとしています。

審査で返済能力を調査する際に、貸金業者は個人信用情報機関に保管している信用情報を調べます。

個人信用情報機関とは
貸金業者や銀行は、クレジットやローンの契約者や契約内容、取引内容などを信用情報として個人信用情報機関に記録することになっています。信用情報の記録を保管する機関としての役割が、個人信用情報機関にあるのです。また、記録するだけでなく、情報の提供も行います。

個人信用情報機関は3機関あり、それぞれ銀行やカード会社、消費者金融などが加盟会員して情報の記録や提出を行っています。

  • 株式会社シー・アイ・シー(CIC)
  • 株式会社日本信用情報機構(JICC)
  • 全国銀行個人信用情報センター(KSC)

個人信用情報機関同士でも情報の交流があるため、カードローンの審査で過去の他社の利用記録が貸金業者にはわかるのです。

そして、審査の際には個人信用情報機関に信用情報の提供を求めるだけでなく、貸金業者がカードローンの申込者に収入証明書類の提出を求めることもあります。これも貸金業法に記載されています。(第十三条3)それが以下の場合です。

  • 契約額(希望申込額)が50万円を超える場合
  • 他社の借入額と合わせて100万円を超える場合

総量規制で決まっている年収の3分の1を超えないためにも、年収までしっかりと確認されることになります。貸金業者が必要だと求めたら、収入がわかる書類(源泉徴収票や確定申告書など)を提出しなければいけません。

総量規制はあくまで目安!借金がいくらまでかは審査で決められる

融資希望額や他社の借入状況によっては収入証明書類の提出まで必要なのですが、だからと言って、これが必ず年収の3分の1ギリギリまでお金が借りられるわけではありません。これも、大切なポイントとして覚えておく必要があるでしょう。

書類の提出は、あくまで審査判断をする上で法律違反をしないための確認の意味も含まれているでしょう。年収の3分の1までという金額は、法律で決められた上限額です。貸金業者側としては、その金額ギリギリまで貸さなければいけないというわけではありません。

審査により返済が不安な場合や、信用情報がまだ十分でないと判断された場合、上限額は、最初は少額から始まるのが一般的です。特に初めてカードローンを利用する人は、返済がきちんと行われるかが貸金業者側にはまだわかりません。

判断は各貸金業者によりますが、最初は目安として30万円までが一般的、多くても50万円までと言われています。

利用しているうちに「この人は信用があるので、もっと融資しても大丈夫だ」と判断されれば、限度額も増額されていきます。そのためにはカードローンを利用して、返済をしっかりとする必要があります。

繰り返しますが、初めての方は特に総量規制で決められた上限額いっぱいまでは借りられないことは、しっかりと覚えておきましょう。

銀行カードローンは総量規制の対象外!ただし貸付額はさほど違わない

総量規制が対象となるのは、貸金業者が取り扱っているカードローンなどの金融商品になることは説明しましたが、実は銀行カードローンはそこに含まれません。その理由は、銀行には銀行法があり、貸金業法とは別の扱いになるからです。

総量規制の対象外ならば、銀行カードローンは年収の3分の1以上借りられるのかといえば、法的な部分では確かに借りられます。ただし、実際に審査で決定する限度額で考えると、必ず年収の3分の1以上借りられるとは限りません。

その理由として、消費者側が滞りなく返済ができる見込みがあるのかを考えた時、借金額が大きくなれば返済の見込みが減るからです。返済をしてもらえなければ、銀行側も貸し付けを行うことができません。

実際に近年、銀行カードローンの過剰融資により多重債務が増えて問題となりました。そのため、総量規制の対象となっておらずとも、銀行カードローンも限度額の上限を厳しく設定しているところが増えてきています。銀行だからと言って、多額のお金を借りられるとは限りません。

年収の3分の1以上借りたいなら総量規制対象外のローンを狙う

総量規制があるから年収の3分の1を超える金額を借りることができないかといえば、絶対借りられないわけではありません。もちろん、ギャンブルなどに使うお金は総量規制に関係なく借りることはできません。

しかし、様々な事情を持つ人もいます。総量規制では、そんな人を考慮して対象外や例外を設けています。

対象外や例外になる場合は総量規制をオーバーでも借りられる

ローンにはいろいろな種類があります。例えば、住宅ローンなどは主な扱いが銀行ということもありますが大きな買い物になるため、総量規制を当てはめることはできません。このような、総量規制の対象外とする貸し付けがあります。対象外とされる貸付けには、これらがあります。

  • 不動産を購入するための貸し付け(住宅ローンなど)
  • 自動車購入時の自動車担保による貸し付け(自動車ローン)
  • 高額療養費に対する貸し付け
  • 有価証券を担保とする貸し付け
  • 不動産を担保とする貸し付け
  • 売却を予定している不動産の売却代金によって返済される貸し付け

また、例外としても総量規制以上の貸し付けが可能になります。これらが該当します。

  • 顧客に一方的に有利になる貸し付け
  • 借入残高を段階的に減少させるための貸し付け
  • 親族も含めて必要な医療費を支払うための貸し付け
  • 一般的に考えて緊急に必要と判断される貸し付け
  • 配偶者と合わせて年収の3分の1以下の貸し付け(配偶者の同意が必要)
  • 個人事業に対する貸し付け
  • 金融機関からの貸し付けを受けるまでのつなぎ資金

意味がわからないものもあるかもしれませんが、これらの中で消費者がよく利用する貸し付けはある程度決まっています。わかりやすいのは住宅ローンや自動車ローンでしょう。また、土地などを担保にしたものや事業費用の借り入れも該当しません。医療費などに関する借り入れも心配ないでしょう。

対応先や事例は少ないが配偶者の同意を得ればカードローンは可能

この中で、通常のカードローンと同じように利用できる貸し付けが例外にある「配偶者と合わせて年収の3分の1以下の貸し付け」です。総量規制では本来一個人のみの年収で換算されるものが、配偶者の年収も合算させて計算する方法です。

ただし、これは配偶者の同意が必要なため、家族に内緒で借りたい人が多い中、利用したいという人は少数です。しかも、配偶者貸し付けに対応している消費者金融も少ないです。配偶者貸付に対応している貸金業者は、主に中小消費者金融になります。

  • ベルーナノーティス
  • フタバ
  • セディナ

フタバは、表向きは収入がなければ貸し付けはできないとなっています。しかし、「お借入れ3問診断」を行ってみると「お借入可能か判断できない」となり、電話で相談する旨が記載されています。ここで相談することで配偶者貸し付けとなります。

セディナはクレジットカードで知られている大手の会社です。カードを持っていなければ作る必要はありますが、配偶者貸付を申し込みすることで持っているクレジットカードにキャッシング枠をつけることができます。

どこに申し込みするにしろ、配偶者貸付は配偶者の同意が必要になり、専用の申込書の提出が必要など、手間があります。家族に内緒にしたい人には、ハードルの高い方法です。

借金が多い場合は総量規制例外のおまとめローンがおすすめ

実は、総量規制に引っ掛からない借り入れで多いのが、おまとめローンです。例外にある「顧客に一方的に有利になる貸し付け」「借入残高を段階的に減少させるための貸し付け」が、これに該当します。

おまとめローンは、複数の貸金業者からお金を借りていて返済が厳しい人に向いているローンになります。

おまとめローンは大手消費者金融も扱っているところは多い

おまとめローンは、配偶者貸し付けと違い、大手消費者金融でも取り扱っているところがあります。

消費者金融 金利
(実質年率)
限度額 申込方法
プロミス
(貸金業法に基づくおまとめローン)
6.3~17.8% 300万円 自動契約機
店頭窓口
電話
アコム
(貸金業法に基づく借換え専用ローン)
7.7~18.0% 300万円 電話
アイフル
(おまとめMAX)
3.0~17.5% 800万円 WEB
電話
アイフル
(かりかえMAX)
3.0~17.5% 800万円 WEB
電話

プロミスのおまとめローンは、消費者金融やクレジットカードのキャッシング枠が借り換え対象になり、銀行カードローン、ショッピング枠は対象外になります。金利は上限金利が17.8%と低めのため、返済額が少なくなる可能性が高いです。

借入額は、他社借入残高までになり、カードローンの特長である追加借り入れはできないため一見不便ですが、借金を順調に減らすことができます。また、プロミスの方で顧客の名前で他社へ返済を行ってくれるため、便利で他社へ返済する前に使い込む心配がありません。

元々プロミで借り入れしていた人もおまとめローンに申し込みできるので、相談しやすいのも利点です。

アコムの場合は申し込みが電話になり、その後の手続きは自動契約機や店頭窓口となっています。他社への返済は、顧客名でアコムの方で行ってくれます。追加借り入れはできず、借入額も他社借入残高分までとなっているため、プロミス同様、借金が増える心配はないでしょう。

アイフルは、2つのおまとめローンがあります。「おまとめMAX」は、アイフルを利用中、または利用したことがある人向けになり、「かりかえMAX」はアイフルが初めての人向けとなっています。他社の借り換えとして銀行カードローンやクレジットのリボ払いも対象可能となっています。

金利が低いのがメリットになり、他社と同じ点は借りた後は返済のみとなっています。

おまとめローンは総量規制以上に借りられるがデメリットもある

おまとめローンは確かに総量規制以上にお金を借りることができ、借金が増えて返済に困っている人には助かるローンです。しかし、メリットだけではないことも知っておく必要があります。

おまとめローンに主に共通しているメリット、デメリットを整理するとこのような内容があります。

メリット デメリット
年収の3分の1以上の借り入れが可能
返済が毎月1回になる
借金が確実に減る
返済総額が減る
精神的な負担が減る
提出書類が多い
審査が厳しい
追加借り入れができない
返済総額が増えることがある

提出書類は、金額に関わらず収入証明書類を求められることになります。また、他社の借り入れが分かる書類の提出を求められることもあります。そのため、事前準備として書類の用意をしっかりする必要があります。

審査については、必ず通るものではありません。おまとめの場合は、金額が大きくなるため通常のカードローンよりも厳しくなることが想定されます。

おまとめローンになることで毎月の返済額が減ったとしても返済期間が長期にわたることになります。返済期間が長くなると、毎月支払う利息の回数が増えて返済総額が増える可能性があります。この点に気づいていない人は多いです。

もちろん、毎月の返済が大きな負担になっている場合は、おまとめのメリットが優先されるでしょう。ベストな判断をするためにも、申し込み前にシミュレーションなどで一度試算してみることをおすすめします。

また、おまとめローンは借入後が返済のみになることが多いため、追加借り入れしたい人には不便です。しかし、逆にいえば借金がこれ以上増えないため、借金グセのある人には適しているローンといえます。

ただし、中にはプロミスやアコムのように他社への返済を行ってくれるローンばかりではありません。自分で他社へ返済する場合、魔が差して使い込んでしまう人もいます。そんな人は、逆に借金が膨大に増えるだけになってしまいます。

おまとめローンを選ぶならば、貸金業者側が他社への返済手続きをしてくれるタイプがおすすめです。

通常は総量規制で借入額が制限される!多重債務ならおまとめを利用

カードローンは、審査で借りられる金額が決まります。しかしそれだけだと、自分がどこまでお金を借りられるのかがわかりません。そこで目安になるのが総量規制です。もちろん最初から総量規制ギリギリまで借りられるわけではありませんが、最終的な目安にはなるでしょう。

そんな中、総量規制オーバーでも借りられる方法はあります。入院費などの事情ならば総量規制以上に借りられます。配偶者の同意は必要ですが、配偶者貸し付けもあります。

また、総量規制が施行される以前からの人も含めて、既にいっぱいいっぱいまでお金を借りて返済に困っている場合もあるでしょう。複数社から借り入れてしている人は、デメリットもありますが、おまとめローンならば総量規制を超えた金額も借りられます。

総量規制を知って借り入れを失敗しないようにしてください。また、借金が多い人は、上手におまとめローンなどを活用して確実に返済を進めていくようにしていきましょう。

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